腋臭症(わきが)とは
わきが(腋臭症)は医学的には腋臭症という病気で、わきから独特の悪臭を放っている状態です。
原因はアポクリン汗腺からの分泌される汗の多さですが、分泌物自体には強い臭気ははなく、汗が皮膚表面に存在する常在細菌によって分解され、特有の臭気を発する物質に変化するとされています。
わきが(腋臭症)の原因
わきが(腋臭症)は体質の
遺伝
上記の通り、わきが(腋臭症)は、アポクリン腺から分泌される発汗量が多い体質が原因とされています。この原因には、遺伝と生活習慣の2種類が考えられていますが、遺伝の場合は以下のケースが考えられます。
- 両親のどちらかが腋臭症の場合 →
50%の確率で子どもに遺伝 - 両親がどちらも腋臭症の場合 →
80%の確率で子どもに遺伝
わきがが発症する時期には個人差があります。
一般的にはわきがは性ホルモンが関係すると言われていますので、思春期ごろに発症することが多いと言われていますが、早い人は小学生くらいから発症する例もあります。
生活習慣
遺伝以外の原因としては、わきが(腋臭症)には、生活習慣の乱れによるホルモンバランスの崩れやストレスなども関係していると言われています。
また、普段からあまり運動習慣がない人が急に運動すると、汗と一緒に老廃物も分泌されるため、体臭も強くなります。
以上により、わきが体質の方は、生活習慣の改善や適度なストレス解消、適度な運動などを心がけることが大切です。
腋臭症(わきが)の治療
皮弁法(直視下切開剪除法)
皮弁法(直視下切開剪除法)とは、外科手術でわきが(腋臭症)を治療する方法です。まずは局所麻酔をわきの下に行い、その後、わきのシワに沿って皮膚を4~5cmほど切開し、皮膚の裏側にあるアポクリン汗腺を完全に除去します。
アポクリン汗腺を除去した部分は血腫(血液が溜まって腫れた状態)になりやすいため、切開部分を縫合する際、ドレーンという細い管を挿入して血腫を防ぎます。なお、ドレーンはガーゼ交換の際に抜きます。
手術時間は1~1.5時間で、手術後はわきの下をガーゼで圧迫固定します。
手術の流れ
1局所麻酔
患部に局所麻酔を行い、痛みを軽減します。
2メスで皮膚を切開
わきの下の皮膚をシワに沿って3㎝ほど切開します。
3皮下の剥離
切開部分からわきの下の皮膚を剥離します。
4汗腺の除去
剥離した皮膚を裏がえして、アポクリン汗腺を除去します。
5縫合
皮膚切開部分を縫合し、内部にドレーンという管を挿入します。
6ガーゼの固定
わきの下をガーゼで覆い、テープや包帯で圧迫固定します。
7肩関節固定(外転位制限)
テープと包帯で肩関節が外転しないように固定します。
術後の経過
- 手術翌日に通院が必要です。ドレーンを抜去します。
- 術後1~2週間は肩関節固定が必要です。
- この間の入浴はお控えください。胸から下のシャワーは可能です。
- 肩関節の制限下で、不自由ではありますが生活を行っていただきます。
- 1週間後にガーゼの固定が外れれば、全身のシャワーが可能となります。
- 10日後~2週間後の抜糸が完了すれば、入浴も可能となります。